さよなら

24年住んだ家。

柱に刻んだ身長の記録。

段ボールで作った秘密基地の思い出。

夢中になって遊んだオモチャ。

数々の誕生日に灯るロウソクの記憶。

泥だらけになったユニフォーム。

仄かに香る潮風。

笑いあった日。

美味い飯。

たわいない会話。

荷作りしてたらそんなものたちがぶわっと蘇ってきて、ぶわっとセンチになる。
今年は家の前で咲き乱れる桜も中々見られないかな。



今までお世話になりました。
雨の日も風邪の日も、守ってくれて有難う。
貧乏くさいと、馬鹿にされたりしたけど、おれにとっちゃあ誇りでした。
世界で一番居心地のいい場所でした。

あなたのお陰で、大きくなりました。
あなたのお陰で、私になりました。

これからたまに帰った時はもっと、立派になった私を見せられるよう、頑張ります。

ちくしょう、家族の風景なんて聴くんじゃなかった・・・。


季節

季節の変わり目は時に麻酔のように、お酒のように時の感覚を無くすものだ。
特に、今日のように平日会社を休んで、地元の街をフラついているとき、それは顕著だ。
瞬間、今自分のいる時間軸が小学生の頃なのか大学生の頃なのかわからなくなる(どちらでもよくなる)。
さっきは、今にもS浜君から、「三限でないの?」ってメールがくるような予感がした。
三限いかなきゃなぁって気分になった。今にも毛の授業が始まるような。
明日から二連勤だー

変わっていくものが多過ぎる

うつりうつるよ
世間は変わる
約束は星に
関係は過去に
思い出は宝箱に
全ての事象は流れ
生成と分解を繰り返す
去年当たり前にいれた場所にゆくのに二の足を踏んだり
昨日みつけた筈のものがみつけられなかったり
信念がゆるやかに溶けていったり
変わらないと信じていたものが自分の盲目によるものだと気付いたり
ある筈のものがそこにない事にいつのまにか慣れちゃったりする
それは鍵をなくしちゃった時の感覚に似て…
以前も書いたが
人生はトランプのピラミットだ
大切なものやどうでもよいものをつくっては壊す作業
世間に壊される事もあるし、自分で壊す事もあるし、自分が壊れる事もあるが
結局はいつか
なくなる結論だけは変わらない
「せめて自分が死ぬまで」…と思うのは罪じゃない筈だ。

遠景

風邪をひきました。
まあ、大した事はないのですが、今日は病院に行きました。

病院に向かう途中にある大学から漏れ聴こえて来る音。

聴くもたどたどしい、ジミヘンのパープルヘイズ。
多分スタジオのドアが開いているのだろう。
そしておそらく初心者だ。
下手糞なフレーズ。
だけど、嬉しそうで、だるそうな、音。

ウチの大学もあんな感じだったなあ。
今もあんな感じなのかなあ。
階段にもたれかかりタバコをふかす、カーディガンの青年が二階の踊り場からちらりとこちらを一瞥した。

羨ましいと思った。
僕は明日の仕事の為、病院へと急いだ。

慣れた紫煙をふかしながら。

皮肉と嘲笑

報告しわすれていたけど、私、五月に本配属になりました。
一年間は少なくとも、その部署にて働かせていただく事になりました。
日々、営業同行と、事務作業。イベント運営手伝い。名刺渡し。日報書き。職場の中での親睦。顔色伺い。経費でお茶のみ。喫煙。などが主な業務です。
しかし、実は事もあろうにその部署は、弊社で最も厳しいとされる部署です。

過去に新人が三人ノイローゼで、二名が殴られて、沈没していったそうです。

さて、私はどこまで耐えれるかなw
皆様ご存知のように、辛ければ辛いほど笑顔でいたいという、朗らかで明るい性格な私。
厳しい側面でも、みんなを和ませようと気を遣える私。
が、しかしとうとう先週言われました。

「あまりヘラヘラすんなよ」

いつか言われると思ってましたけどねw
いつもヘラヘラしてますからね、自分。
なんていうか、緊張感ないと思われるんでしょうね。
いや本当に緊張感ないんですよ。
大抵の社会のものは滑稽に見ててしまう悪い癖。

いつか殴られて辞めそう。

境界線

最近

弱い自分と、強い自分。
まだその境目がわからない。

会社人間になる境目と、自由で無責任の塊の自分。
その境目もわからない。
僕のまわりの人たちそれぞれに別々な僕の評価をされ、それが組み合わさって僕の評価になる。
それと同時進行で僕の内部で僕の評価も醸成されていく。

それはつまり
僕は
バラバラな環境で、ブツ切りにされ
バラバラな組織で、ブツ切りにされ
バラバラな個人に、ブツ切りにされる

答えられない期待に答える為に、
深い部分にいる超自我が、ブツ切りになった自分をひとつひとつ繋ぎ合わせて

「まあこんなところでいいでしょう」

という許可で完結する建設のような行為。

徐々に積み上げて行く俺の構成要素は、知らず知らずのうちに僕の中の大切な部分を蝕んでゆくかもしれない。
そのときに、だれかが一言
「あんたそれはおかしいよ」
と遠慮なくいってほしいんだ。
甘えでも妥協でもなく、僕の人間性の欠落はタブン僕自身で気づくことが出来ない。
変わって行く自分が怖いんだ。
居心地は悪いんだ。
「人が成長するときって苦痛を伴う」⇒「全ての苦労は人生の為になる」
=現状を肯定せよ

ってだれかが言ってたけど、
その苦痛が成長に繋がっているのか、
人格を槌で破壊しているのか僕にはまだ判別しかねるんだ。

逆に皆が困ったとき、方向を間違えそうになったとき、手を差し伸べてあげたいと思っているんだ。
変わって行くだろう、自分が怖い。
こんなあまりにも、あまりにもありきたりのモラトリアムなんて犬も食わないだろうけど。

それは
タバコが無くなったら、買いに行くように、僕という人格も、人材がなくなったから買われただけの話。

自動販売機から落ちてきたタバコが
考えている幾つかの戯言。

涙のキッス

酩酊してます自分。
弱音吐いていいすか?
泣いたりしたらだめですか?
男だから泣かないけど。
自分まだまだ学生やりたいっすわ。
隣のリ~マンみたく、シワシワのスーツきて、崩れるように寝て、音楽と思想を忘れて、ただ安住を求めて、ただ平凡を求めて、欲望に負けたりして、風俗にいったりして、浮気を正当化したりして、ただ死ぬまで死ぬ事を考えて、健康と出世と金を考えたりして、世俗にまみれたりして、世俗の中がすべてだと思ったりして、生きたくないっすわ。
本音ゆうと、けど最低限の金は欲しいっすわ。
崖っぷちですよ。
社会
仲間まだいないすよ。
不安すよ
暗闇で無い階段を踏み出して階段が無かったあの喪失感のような。
電気がない暗闇に手探りだけではいりこみ電球の紐を探す。
あの感じ。
不安ですわ。
覚悟はまだないっすわ。
泣いたりしないで、大人になれないっすわ。
リ~マンみんなつらそうすわ。
立派ですけど。
つらそうっすわ。
朝まで思想を語ったりとか
生きる意味考えたりとか
ただバカ騒ぎしたりとか
恋愛相談したりとか
綺麗な朝焼けみたりとか
スタジオあきずにはいったりとか
一服したりとか
つらかったけど、自由でしたわ。
つらかったけど、自由でしたわ。
明日とか
家族とか
全部から自由でしたわ
音が鳴ってて
親友がいて、
それでいかったんすわ
大学とか、ちょっとした拘束がまた逆に自由でしたわ。
みんな良い奴でしたわ。
友人はみんなどこか弱い奴ばかりでしたわ。
どこか欠落してたり、してましたわ。
妄言を許してもらえば、完璧な奴は俺の友達には1人もいなかったすわ。
俺が友達と思ってる奴は。
欠落もまた美しかったですわ。
いや、欠落が、美しかったのか。
みんなそれぞれに、俺の知らない、
罪も
罰も
破廉恥も
あるだろうと思うけど
そんなん些細なもんすわ。
みんな美しかったですもの。
俺が私利利欲とか無い奴ばかりとつるんできた自信があるからかしら、
みんな良い奴でしたわ。
素敵でしたわ
裏切られた事もありましたが
美しかったですわ
心から美しかったですわ
俺の人生のただ一つの
誇りですわ
私利私欲
作為

が嫌いな俺としては。
美しかったすわ。
俺はみんなを裏切りたくはないすわ
裏切るときには死にたいすわ
ただ逆に良い思い出話だから、つらいすわ。
世間はみんな酷い人ばかりじゃない事わかりますが、怖いすわ
俺、美しい世界しか見なかったですもの。
けど金がないと生きていけない
…あ、となりのOLが、酔っ払って倒れた(笑)
立っててつんのめった
つらいんだね
頑張ってるね
立派だね
いかないで~♪
今は思い出に残る一時♪
隣のリ~マンみたいにいきていくしかないのか
サザンが身に滲みます。
ブルースとか演歌とか。
男とか。
大学に悔いはない。
ただ、まだ居たい。
本音言って悪い?
けど私、行きます。
多分明日、発ちます。
こんな泣き言あまりにも無様だから
すぐに消すけどさ。
命の限りに音楽を、
恋愛を
友情を
してたよ
俺は、ゆくよ
今生の別れじゃないけれども
明日俺は去るよ

二時過ぎ

二時過ぎ
酩酊
国道走る車
缶ビール
僕ら、また腹を抱えて笑える
また何かを奏でられる筈さ
僕ら、この夜はまだ明けない筈さ
僕らの奏でた歌は、まだ響いている
それが霞む時はあるのかな
君がみた景色は
僕らがみた景色なのかな
国道
走る車
酩酊
フィッシュマンズ
タバコ
自転車
辻堂



幸福な雪

子供たちが集まる公園に降った雪は幸運だと思う。
公園の雪は他の場所に比べると消費量が違う。
地面が見えても、最後の一片が溶けるまで投げ尽くされる。
真っ黒になるまで弄り尽くされる。

公園の雪は幸福だ。

暫定的

人生の殆どはつまり、青春の残りカスである…
そう考えても言いと思えるような景色と、暫時的な実感。
暫時的な仮説。

タバコと酒と健康ランド