北極星

運命は時として、あがらいがたい力で思いもよらない方向に自分を連れて行く。

そういう時、事実は慄然と目の前に立ち、僕の意志の力をたやすくねじ曲げる。

抵抗は出来ない。踏ん張ってもどうにもならない。
僕は右に、上にと翻弄されるしかない。
洪水の中の一筋の藁のように。

社会、法律、友達、それら目線。病気、事故、不幸。その洪水。

だが、ただ黙って流され、翻弄されているだけじゃない。
選択するんだ。

運命のうねりのなかで、意思を持って舵をきるんだ。

横滑りしながらも、転倒しながらも、それでもあるべき方向を見失ってはいけない。

それを見るんだ。

それは、胸の中にある一番大事なものだ。

それは、
ほっとするものだ。
愛しいものだ。
守りたいものだ。

それを、忘れなければ僕たちは運命に負けることはない。
それを忘れたら、闇の中で、ただ、自分しかいない。
忘れてはいけない。もらったもの、与えるもの。

溺れる藁には無い、意思、選択。

何が起きても、どんな困難でも、その嵐の中で
胸にあるものを忘れずに思い出そう。

思い出そう。

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