幸せの変容

旅行中、幸せだなと感じるポイントが変わった。

昔はビールを飲み、太陽の光を浴びて音楽を聴いたとき、いい景色を見たとき、異国で苦難を乗り越えたとき、想像以上のうまい店を見つけたとき、旅先の人と触れ合ったとき。

今は子供と家族の笑顔を見たとき、成長を感じたとき、家族みんなで笑ったとき。

旅の目的と意義は人生の時々で変わる。

変わったことに気づけないで、以前の尺度で考えていると、損した気分になってしまう。

今、自分は何を幸せと感じていて、何に意味を見出しているのか。

それを認識して、理解して、腹落ちさせることが大切である。

大きくなりたくない

ベッドサイドで娘が「もう大きくなりたくない」と言った。

僕は胸がキュっと締め付けられた。

立派に育っててほしいこと、今が永遠であってほしいこと、人は老いて死ぬこと、子は親の手から離れていくこと、娘のその感情はとても尊いこと。

これらが一緒くたになって、なんと言ったらよいかわからなくなって、僕たちは優しい嘘をついた。

「ずっとずっと赤ちゃんでいいよ。ずっとみんな一緒だよ」

そう言って抱きしめた。

折返し

「人生、もう折返し地点だね」と、夫婦で話す。

60で死んだ母。

人生は有限。

いつか来るその時に、今までの選択に悔いがないと思えるように。

日々をどう過ごし何を選択するか。